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多剤耐性結核患者におけるリネゾリドとクロファジミンの有害事象調査

多剤耐性結核患者におけるリネゾリドとクロファジミンの有害事象の実態調査に関する研究

このたび、結核療法研究協議会内科学会では上記研究を行うことを公示いたします。

1. 研究の意義と目的
現状の日本の多剤耐性結核治療は感受性のある薬剤を5剤使用し治療期間は菌陰性化後18ヶ月投与となっている。近年、海外では多剤耐性結核患者対してベダキリン、プレトマニド、リネゾリドの3剤を中心とした6ヶ月治療の有効性、またpre超多剤耐性結核患者に対するベダキリン、デラマニド、リネゾリド、クロファジミンを用いた6ヶ月治療においても良好な治療成績が得られたことが報告されている。尚、日本ではリネゾリド、クロファジミン共に多剤耐性結核患者に対しては適応外投与としての保険は認可されている状況であるものの公費負担の対象外である。
今後リネゾリド、クロファジミンを使用した上記の短期間治療レジメンがスタンダードになることが予想され、日本での導入も考慮される。しかしながら、日本での多剤耐性結核患者に対するリネゾリド、クロファジミンの有害事象についての実態調査はされておらず、多剤耐性結核に対して上記薬剤を使用した過去の症例を対象として両薬剤の使用状況と有害事象の実態を調査することを目的にする。

2. 研究の方法
研究デザイン:多施設共同後方視的観察研究
研究期間:承認日~2024年3月31日
対象者:多剤耐性結核症と診断され、多剤併用化学療法にリネゾリドもしくはクロファジミンのいずれか一剤または両方の薬剤を使用した患者
収集する情報:各患者の性別、生年月日、身長/体重結核診断時のレントゲン分類診断時の喀痰塗抹検査所見結核の診断日と治療開始日、併存疾患の詳細、LZDもしくはCFZ使用時に併用した薬剤、有害事象の詳細と転帰、結核の転帰(培養陰性化の有無、治療終了日、再排菌の有無等)
情報の保護:名前、住所、病院のID番号など個人識別する情報は収集致しません。結核研究所にて調査情報を整理・解析いたします。研究結果は関連の学会及び論文にて発表する予定です。

3. 研究組織
研究機関名 結核療法研究協議会

総括研究責任者 結核療法研究協議会内科科会 吉山 崇

共同研究者 結核療法研究協議会参加施設
・国立病院機構北海道医療センター呼吸器内科、国立病院機構茨城東病院呼吸器内科、国立病院機構東京病院呼吸器内科、結核予防会複十字病院、長野県立病院機構長野県立信州医療センター、国立病院機構富山病院、国立病院機構長良医療センター呼吸器内科、国立病院機構天竜病院、国立病院機構東名古屋病院、国立病院機構近畿中央呼吸器センター、国立病院機構兵庫中央病院、国立病院機構奈良医療センター、国立病院機構東広島医療センター呼吸器内科、国立病院機構山口宇部医療センター、国立病院機構大牟田病院、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科第二内科、国立病院機構南九州病院呼吸器内科、国立病院機構沖縄病、大阪府立病院機構大阪はびきの医療センター、神奈川県立循環器呼吸器病センター

4. 連絡先
この研究で自分の情報を使用されないことを希望する場合は各所属機関の研究責任者に、また研究及び情報提供についてご質問がありましたら、各機関の研究責任者または下記までお問い合わせください。
東京都清瀬市松山3-1-24 公益財団法人結核予防会結核研究所
企画主幹 吉山 崇
e-mail: ryoken@jata.or.jp
<結核療法研究協議会研究の問い合わせ>Tel:042-493-5711/ FAX: 042-492-4600