感染予防マスク  「N−95マスク」の効果
 

結核予防会千葉県支部
 健康相談所医監  鈴木 公典
 

 結核は空中に浮遊する飛沫核を吸い込むことで感染します。本マスクはこの感染リスクを軽減するためにつくられたものです。CDC(米国疾病対策センター)の「医療施設における結核感染防止のガイドライン」(1994年)に適合したマスクで、1μサイズの粒子に対する高い補集効率があり、米国の結核対策用マスクとして使われています。
 特長として、結核菌が顔面とマスクの隙間から入らないよう、顔面に密着するように設計されているということが挙げられます。従来からのサージカル(外科用)マスクは補集効率が低く、密着性を備えていません。マスクの使用には顔面との間に隙間がないように、フィットテストによりマスクを実際どのように着用したらよいかがわかります。
 感染防止のために正しく使用し、高価であるので無駄な使用をしないためにも、施設における本マスク使用基準の作成が必要です。
 ただ本マスクのみで感染や発病を100%防止できるものではなく、患者の早期発見、早期治療、安全衛生管理体制、換気等の設備といった総合的対策のひとつどして理解しておくべきものです。

 

 

 

 

 

 

写真1:正面写真

左が本マスク、右が通常のマスクで、正面からでは、
フィットの具合がよくわかりません。

写真2:側面写真

左が本マスク、右が通常のマスクで、側面からだと
頬部分にフィットの違いがよくわかります。

写真3:フィットテスト

マスクを着用後サッカリンの味がするエアロゾルを
フードに流し、味を感じなければマスクがしっかり
フィットしていることがわかります。

 


Updated 98/04/22