世界に広がるDOTS/各国で見事な成果

 

中国の初回治療塗抹陽性例のコホート分析結果 中国の再発・再治療塗抹陽性例のコホート分析結果
 

 WHOは結核対策成功のカギは、「発見した菌陽性患者の85%以上を治癒させること」という簡単で明瞭な目標を掲げ、 世界中で結核対策の強化に乗り出しています。結核を治すには、患者が有効な薬を確実にのんでくれなければなりません。 これには、6〜8ヶ月間で治療が完了する短期で有効な化学療法を用い、さらに患者が薬を確実に服用していることを 確認しながら治療を進めるDOTS(Directly Observed Treatment, short course, 短期化学療法による 直接監視下治療)を採用することが非常に重要となってきます。途上国を訪ねてみると、今はどこでも DOTSを具体的にどのように進めるか、DOTS旋風が吹きまくっている、と言っても過言ではない でしょう。
 世界銀行、WHO、IUATLDなどからの支援を得て、中国では結核対策の強化が大規模に展開されています。 表にみるように、1991年から94年3月までに初回治療と再治療を合計すると11万人を超える結核 患者がDOTSで治療され、実に89.7%または81.1%という高い治癒率を上げ、治療完了も含めると 91.8%または84.2%という高い成功率を示しています。なお、中国の化学療法方式は、初回は 2H3333 /4H33、再治療は 2H33333/ 6H333となっています。

資料:China TB Control Collaboration, Lancet, 347: 358〜362, 1996

 


Updated 97/01/06