結核医療基準の一部改正、7月1日から適用
抗結核薬が原則3剤または4剤併用投与に


厚生労働省健康局結核感染症課は6月21日付けで、結核予防法に基づく結核の適正医療の指針となる「結核医療の基準」の一部改正について全国に通知した。平成11年11月以来の改正では、抗結核薬のうち2剤か3剤の併用投与を原則としていた初回治療患者の標準化学療法について、患者の結核菌が感受性を有するものを原則3剤、4剤の併用投与に見直しており、7月1日から適用となっている。
 これは一昨年出された日本結核病学会の声明を受けたもので、薬剤耐性結核に、より確実に対応すること及び、DOTSの実施を推進することがねらいである。
  改正の内容については、以下のとおりである。

【改正前】

 ・塗抹検査陰性の場合は、@、AまたはB
 ・塗抹検査陽性の場合は、A、またはB
【改正後】
    菌所見にかかわらず
    ・PZA投与可の場合は、B
    ・PZA投与不可の場合は、A´
    (@の方法は廃止)

@INH+RFPの2剤併用で6月ないし9月間治療
AINH+RFP+(SMorEB)の3剤併用で6月治療後、INH+RFPの2剤(3剤)併用で3月ないし6月
→A´INH+RFP+(SMorEB)の3剤併用で6月治療後、INH+RFP(+EB)の2剤(3剤)併用で3月

BINH+RFP+PZA+(SMorEB)の4剤併用で2月治療後、INH+RFP(+EB)の2剤(3剤)併用で4月

※抗結核薬  INH:イソニコチン酸ヒドラジド、RFP:リファンピシン、PZA:ピラジナミド、SM:硫酸ストレプトマイシン、EB:エタンブトール

●治療期間
@RFPまたはINHのいずれかが使用できない場合の治療期間について、RFPを使用できない場合は、おおむね2年ないし3年間とし、RFP使用可能であって、INH使用不可の場合は、おおむね9月ないし12月間とすること。
A症状が著しく重い場合、治療開始から3月を経ても結核菌培養検査陽性の場合などでは、3月間延長できることとすること。

●投与回数
  抗結核薬の投与は、その有効血中濃度の確保とDOTSの普及・促進の観点から、原則として、1日1回の投与とすること。

なお、近日この解説書(平成16年改正結核医療の基準)が本会から出版されます。


Updated04/10/04