カンボジア結核予防会発足


ちば県民保健予防財団(結核予防会千葉県支部)
集団検診部診療部長 小野崎 郁史
コンキンサン先生(左)に千葉県支部からの寄付を贈呈(右は筆者)

 11月24日,プノンペンのカンボジア国立結核センター(CENAT)講堂にて,カンボジア結核予防会(CATA)の発足式が行われました。国家結核対策プログラム(NTP)関係者や政府や大学をリタイアされた先生方,関連のNGOなどから100名を超えたと思われる参加者があり,質素ながらも予想していたより立派な式が行われました。私は結核予防会青木会長,森結核研究所長のビデオアドレスをオープニングで紹介,また千葉県支部や職員有志からの寄付を贈呈してきました。タイの結核予防会からナダ先生の名代の女性が出席されたことも,式典の格を1つ上げることに貢献しました。コンキンサン前CENAT所長が中心となり,クメール語・英語両版が両方印刷された規約や,英文リーフレット,記念のシャツも配布されました。
 国会開始後に保健大臣就任も噂されるマンブンヘン長官が,理事会の議長に就任しましたが,「CATAはあくまでもNGOであり,公務員はメンバーにはなり理事などには就任するが,(給与などの収入を生じる)スタッフメンバーにはならない」ことも確認されました。私も理事会のメンバーになることを要請されましたので,「日本やIUATLD向けのスポークスマンとして期待されているのだと思うが,CATAが政治的に中立なクリーンな団体であることに貢献できるなら」ということでお引き受けすることになりました。また,カンボジアのNGOの多くが特定の海外援助機関に偏った資金源によって運営されているが,「CATAは,外国の援助だけでなく,産業界などカンボジア内のリソースの獲得も含め,特定の援助団体に依存しない体制をつくる」ことも確認してきました。
 実際の活動のトップは,コンキンサン先生が務められることになりますが,スタッフの雇用などの組織作りはこれからということになります。しばらくは暗中模索といった活動かと思いますが,スタートしたということがまずはなによりも肝心。そのスタートにあたり,昨年度末に確保された千葉県支部からの援助が大いに役にたったことは,CATAの略称が引き継がれることとあわせ嬉しく思われました。
 カンボジアの結核対策に対する日本の結核予防会及び結核研究所の貢献については,マンブンヘン長官もそのスピーチで何度も触れられました。今後,誕生したCATAを通した様々な活動が期待されます。 


updated 04/03/17