新結核用語事典

Extensively drung-resistant tuberculosis
                                      

 少なくともINHとRFPの両方に耐性を示す結核菌を多剤耐性菌( MDR-TB)といい、治療が困難であることはよく知られている。最近、これに加えてXDR-TBという概念が登場した。これはExtensively Drug Resistant Tuberculosisの略称であり、直訳すれば「拡大薬剤耐性」であるが、多剤耐性結核であることが前提であり「超多剤耐性」と試訳する。
 最初にこの概念が登場したのは2006年3月に出版されたMMWRの記事「Emergence of Mycobacterium tuberculosis with Extensive Resistance to Second-Line Drugs - Worldwide, 2000-2004」においてである。これは全世界に25施設存在する国際的に認知された結核研究施設(Supra-national Reference Laboratories: SRL)に対して耐性結核に関するアンケート調査を実施した結果であり、この中で多剤耐性結核よりも薬剤耐性の進んだ結核菌として報告された。この結核菌は、多剤耐性に加えて二次抗結核薬に含まれる6つ区分のうち、3つ以上に耐性を持っている結核菌と定義された。6つの区分とは、アミノグリコシド系、ポリペプチド系、フルオロキノロン系、チオアミド系、サイクロセリン、パラアミノサリチル酸を指している。
 その後、世界保健機関は2006年10月に専門家による会議を開催し、現時点で、多剤耐性に加えてフルオロキノロンいずれかと注射二次薬(カプレオマイシン、アミカシン、カナマイシン)の少なくともひとつに耐性をもつ結核菌をXDR-TBと定義すると発表した。これは、フルオロキノロンと注射二次薬を用いるという国際的な多剤耐性結核の治療方針に鑑みた定義である。XDR-TBはあくまで検査結果をもとにした定義であり、今回臨床的な定義の設定は見送られている。


※この用語解説は結核研究所ホームページ委員会が編集したものであり、日本結核病学会用語委員会により作成されたものではありません。

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