新結核用語事典


結核の発病
[onset of tuberculosis]

初めて結核菌を吸い込んでも,普通はなんの症状もなくX線所見でも異常陰影は認められないが,このときには肺に初感染巣という小さな病巣が出来る。これは自然治癒の傾向が強く,石灰沈着し治癒する。この段階では感染により結核に対する免疫を獲得するが,発病とはいわない。しかし初感染巣が自然治癒の経過をとらずに進展し,あるいは他の場所に二次初発巣を形成し進展した場合にはこれを発病という。この発病の中には感染後引き続いて早期に発病するものと,初感染巣が石灰化し感染後数年から数十年も経過してから発病するものとがある。前者に対しては,初感染結核症,一次結核症,小児結核,初期結核症などの用語を用い,後者に対しては慢性肺結核症,二次結核症,成人型結核などの用語が習慣的に用いられている。欧米では後者を再感染性肺結核とも呼んで一次結核症と区別していたが,真の外来性再感染は特殊な条件下でのみ起こるもので少なく,多くは二次初発巣からの極めて慢性的な進展か,初感染巣自体の再燃による発病形式をとるものと現在は考えられている。しかし結核症は感染・発病・停止・再燃など,時間的にいろいろな間隔をもって経過する疾患であり,個々の例を一次結核症,二次結核症などと明確に分けることは難しいのが実態である。

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