新結核用語事典


非定型(非結核)抗酸菌症の治療
[treatment of atypical/nontuberculous mycobacteriosis]

非定型抗酸菌症の治療はM. kansasii感染症,M. szulgai感染症を除いて現在有効な抗菌剤はないといってよく,治療当初から外科療法適応を検討しつつ行わなければならない。すなわち,片側限局性の病巣で6カ月以上化学療法に抵抗し大量排菌が持続するものは,早期に外科的切除を検討すべきである。非定型抗酸菌症に対する標準的な化学療法は確立されていないが,従来の臨床経験からM. kansasii感染症に対してはRFP,TH,EB,CSに比較的感受性のあることが知られており,これらの薬剤を含む3剤併用を1年間行うことが推奨されている。わが国の非定型抗酸菌症の70%以上を占めるM. avium-intracellulare complex感染症に対しては,結核菌を対象とした現行の感受性検査(耐性検査)ではCS以外のほとんどの薬剤は感受性を示さないが,現状ではRFP,EB,CS,TH,INH,PZAのうち2〜3剤とSMまたはKM,EVMのうち1剤を組み合わせた3剤以上の多剤併用が,一定の臨床効果を上げることが経験されている。結核症と異なり,完全な菌陰性化をみなくても排菌が微量化すれば有効と考えてよい。治療期間は定説がないが,副作用がないかぎり一年間以上は必要である。一般に健康肺に発症した一次感染型にはある程度の治療効果がみられるが,肺に基礎疾患があり,その上に発症した二次感染型の治療効果は悪く,また初回治療より再治療が効果は悪い。M. szulgai感染症はM. kansasii感染症に準じた化学療法を行う。M. fortuitum, M. chelonaeの感染症は,M. avium complex感染症と同様治療は困難である。

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