新結核用語事典


非定型(非結核)抗酸菌症
[atypical mycobacteriosis, AM/nontuberculous mycobacteriosis, NTM]

現在分類されている抗酸菌属の約32菌種の中で,次に挙げる7菌種を除外したすべての抗酸菌種を一括して,非定型抗酸菌と呼んでいる。除外される7菌種は,結核菌(M. tuberculosis), ウシ型菌(M. bovis), M. africanum, M. microti, 癩菌(M. leprae), M. lepraemurium, M. paratuberculosisである。これら7菌種を除外した他の非定型抗酸菌種による感染を,一括して非定型抗酸菌症と呼んでいる。略語としてAM症あるいはNTM症が用いられる。わが国では1956年に占部により命名されてから現在もなお非定型抗酸菌症の名称が使用されているが,非定型という名称が不適当であるという意見があり,非結核性(NTM症)という名称も多く用いられてる。個々の疾患名としてはM. kansasii(感染)症などと記載すべきである。非定型抗酸菌は土,水など広く自然界に分布し,人から人への伝染は少ないとされている。わが国ではM. avium complex, M. kansasii, M. fortuitumなどによる感染症が重要なものである。多くは肺結核に類似した肺の慢性感染症を起こすが,少数例では皮膚疾患,リンパ節炎や全身播種型感染症などの肺外疾患を起こすこともあり,エイズにおける日和見感染としても重要である。非定型抗酸菌は結核菌に比し毒力が弱いとされ,宿主の抵抗力の減弱に伴って発病することが多い。

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