新結核用語事典


非定型(非結核)抗酸菌の同定
[identification of atypical/nontuberculous mycobacteria]

病的材料からの抗酸菌の分離は,結核菌に準じ,小川培地を用いて行われるが,同定の順序としては,1)チールネールゼン法に代表される抗酸性染色で抗酸菌であることの確認,2)結核菌との鑑別,3)非定型抗酸菌の各菌種への同定へと進むのが実際的である。結核菌でないことの確認は,ナイアシンテストが陰性であること,パラニトロ安息香酸(PNB培地)に発育がみられることなどによる。抗酸菌の同定には,現在市販の簡易同定キットを用いてよいが,比較的少数の検査項目を採用しているので,同定キットに支持された反応がすべて適合する場合にのみ,同定結果は信頼できる。典型的な性状を示さない菌,あるいはM. kansasii, M. avium complex, M. scrofulaceum, M. gordonae, M. nonchromogenicum complex, M. fortuitum, M. chelonae以外の,わが国ではまれかまたは報告されていない菌種については,専門施設に同定を依頼したほうがよい。なお,結核菌との鑑別についても2)に挙げた性状のみではなく,同定キットによって他の性状も確認することが望まれる。最近M. tuberculosis, M. avium, M. intracellulareの同定に,DNAプローブを用いた遺伝子工学的手法が導入されつつある。

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