「結核予防法の一部を改正する法律」が
6月15日に成立!

平成17年4月1日に施行。政省令は今後の審議を経て公布


 第159回通常国会に提出されていた「結核予防法の一部を改正する法律案」は、会期末前日の6月15日、衆議院の審議を経て、当初案通り可決されました。施行は平成17年4月1日となります。また、改正案を可決した6月11日の衆院厚生労働委員会では、附帯決議(下記)が全会一致で可決されました。
 本法は、厚生科学審議会感染症分科会結核部会により平成14年3月20日に報告された「結核対策の包括的見直しに関する提言」及び同年6月5日に出された「結核部会・感染症部会の共同調査審議に係る合同委員会報告書」を法制化したもので、結核予防法の1951年施行以来50年ぶりの大改正となります。内容は、健康診断の効率的・効果的な実施及びBCG直接接種の導入のほか、DOTSの推進、結核診査協議会の見直し、国及び都道府県の責務規定や指針・計画の策定に関する文言が盛り込まれています。
 なお、今回の法改正の中で、定期健診の対象者や、乳幼児のBCG接種の接種時期をはじめとして、具体的な実施策については、政令・省令などに委ねられているところが少なくありません。これについては今後の作業を経て公布されます。


<附帯決議>

 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。
1 国内外における結核に関する情報の収集・分析等を行い、最新の知見に基づき、国民、医師その他の医療従事者をはじめとする関係者に対し積極的に情報提供を行いながら、適切な結核対策を展開するとともに、国際的な協力・支援の一層の推進を図ること。
  なお、結核の集団感染が小集団化・多様化していることを踏まえ、関係者に対し、正しい知識の普及啓発及び健康診断の徹底に努めること。
2 結核患者の治療成功率の向上へ向けて、医師等に対する結核の標準治療法の一層の周知や研修の充実に取り組むとともに、医療機関、保健所等の連携・協力の下に、DOTSを推進し、結核患者の治療継続を積極的に支援すること。
3 結核患者の高齢化、合併症や多剤耐性結核など専門的かつ多様な医療が必要とされる患者の増加に対応するため、結核医療について、診断方法、治療技術等の医療の進歩も踏まえ、入院の期間やその適正な手続きの整備、結核病床の機能など入院治療のあり方や、予防内服の位置付け、実施基準の策定など発病前治療のあり方に関し、患者に適切な医療を提供するという観点からの検討を進めること。
4 乳幼児における結核性髄膜炎や粟粒結核等の重症結核発病を防止するため、乳幼児のBCG接種の重要性について、国民その他関係者の理解を深めるとともに、接種機会の拡大、未接種者に対する勧奨などに努め、確実に接種を受けられる体制の確保に努めること。


◎結核予防法の一部を改正する法律新旧対照条文
   前編(12ページまで)
   後編(13ページより)


Updated04/08/17